まず、隠蔽配管には2通りあります。エアコンの取り付け工事のときに配管を隠蔽する場合と、最初から配管が埋め込みで隠蔽されてある場合で、後者を先行配管と表現することもあります。
 
今回は分かりやすく、前者を隠蔽配管、後者を先行配管で説明します。

隠蔽配管について

マンションなどで、建物の築年数が古い場合や、リノベーションなどの間取りで部屋全体の中心部分に部屋がある場合は、ベランダや通路側へ室外機を置くことになりますので、配管も部屋内を通すことになります。
 
部屋内を配管するとなると、見た目が悪くなりますので通す場所を考えなければなりません。また、水が出るため勾配を付けて部屋の外まで配管することが必要です。そこで、問題となるのが配管穴です。勾配を考えると3mほどの部屋(6畳)であると30cmは下げたいところです。
 
マンションに配管穴を開ける場合は、15000円~20000円ほどが相場で、管理会社等へ許可が必要です。※塩ビ管を使用すると5cm~10cmぐらいでも可能です。(工事業者へ確認が必要です。)
 
もう1タイプあり、配管を通すための塩ビ管(10cmほどの直径)を事前に設置されてある場合は、同じ高さぐらいの穴が室外にもあります。ほぼ、まっすぐに配管を通すことができるため、作業上はあまり問題になりません。※配管料金がかかりますのでご注意。
 

先行配管について

新築時やリノベーション時に、最初から配管を通し埋設されてある状態です。マルチエアコン(室内機が複数台で室外機が1台のエアコン)などを取り付けされる場合に多く、配管が部屋内と室外に1mほど出てきている状態になっています。(一部空洞を作って中で接続するように設計されてあることもあります。)
 
既設の配管が新品であれば、問題ありませんが10年以上経過している状態であれば、工事会社によっては再利用をお断りされる場合があります。理由としては、配管内の汚れ具合が確認できないことと経年劣化による硬化が進み、ガス漏れなどの保証リスクが高いためです。
 
現在の新冷媒R32であれば、洗浄は必要ないと言われてありますが、メーカー各社で見解が違い、汚れ具合によっては洗浄が必要になり工事会社へ確認してくださいと説明されるメーカーもあります。
 
汚れ具合が問題とは、エアコンのガスにはゴミ(経年劣化による金属類の粉など)や長年使用した以前の固くドロドロになった混合されているオイルが、新しいエアコンに不具合を引き起こす原因になるかも知れないということです。
 
そのため、間違いないのは配管洗浄をしたほうがいいということです。但し、配管洗浄料金は20,000円~30,000円(相場で配管の長さにもよる)ほどかかるため、現状ではお客様で判断されてある状態です。(不具合の報告はあまり聞いたことがありません)
 
戸建などで先行配管されてある場合、10年以上経過していると工事会社からお断りされることがありますが、配管は通常は、左側に出てきてますので、出口部分で切断して、新たに右側へ穴をあけて取り付けすることもできます。業者さんによっては最初からおすすめされることもあります。
 
隠蔽配管はどちらにしろ通常料金ではできない場合が多いため、まずはお見積りを依頼しましょう。